緑青が昔から、有毒であると考えられてきた主な原因は学校の教科書にあったと考えられます。しかし、どうして害があるのかについての記述はなく、十分な説明もありませんでした。この他、各種の百科事典にも有毒と記載されていました。日本銅センターでは、何の根拠もないまま有毒と考えられてきた緑青について正しい理解を得るため、過去二回、東京大学医学部において長期動物実験を行って参りました。その結果、緑青は無害同様の物質であることが確認され、この研究の成果を細かく旧厚生省に報告しました。これを受けて、旧厚生省では昭和56年、国の研究として緑青の動物実験に着手し、三年間にわたる研究実験を行いました。この時の研究結果は、昭和59年8月、旧厚生省から広くマスコミに公表されました。現在では辞典類における説明も有害から無害へとほとんど改定されています。
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