施工の実行程

はんだ付(軟ろう使用)の手順


1.フラックスの塗布
フラックスは必要最小限にとどめ、接合部の管端3〜5mm離して銅管外面 に塗布します。その際、継手内面には絶対に塗布しないで下さい。
「フラックスは多い方がはんだ付に良い」と思っている方がいますが、これは間違いです。フラックスが多いと、はんだ付けに悪影響を及ぼすと同時に接合後の腐食の原因となります。 フラックスはなるべく少量でうまく接合するようにしましょう。

●フラックスは水溶性で、刷毛塗りです。
●継手内面は塗布しないでください。


2.継手の差し込み

フラックスを塗布した銅管へ、ストッパーに達するまで十分継手を差し込みます。2〜3回継手を回しフラックスを馴染ませます。


3.加熱
●プロパン・エアートーチの場合



●電気ろう付け機の場合


加熱は、はんだ付のポイントです。接合部を適温まで均一に加熱する必要があります。幸いにして銅管は熱の伝導性に優れているので、均一に加熱され易い特性を持っています。

加熱はプロパン・エアー・トーチまたは電気ろう付け機で行いますが、何れの方法でも実用上問題はなく、均一加熱ができます。この辺が、誰が施工しても安定した接合ができるひとつの大きな要因でしょう。
しかし、トーチを使用する場合はフラックスが炭化する場合があるので、特に加熱のしすぎに注意する必要があります。

4.はんだを差す適温




●電気ろう付け機の場合



はんだを差す適温は270〜320℃です。
この温度になるとトーチ加熱の場合、銅管の肌が奇麗なピンク色となり、同時に炎の色がうぐいす色になる。この時炎を外し、炎が当たっていた反対側にはんだを差します。

●はんだは温度の低い方から差すことが原則です。
はんだの必要量は管径によって異なりますが、目安は下表の通りです。


■はんだの必要量
各接合部当りの必要なはんだ量(はんだ径が2mmの場合の長さ(mm))
呼び径 8A 10A 15A 5/8B 20A 25A 32A
標準量 6 8 13 22 30 60 90
最大量 8 12 19 32 42 82 123


●電気ろう付け機の場合
フラックスが沸騰し、白く蒸気が出てきたところが適温の目安です。慣れないうちは最初からはんだを接合部に当てておいてもよいでしょう。

●何と言っても加熱しすぎないことが大切です。作業中の温度の判断は難しいのですが、320℃以上になるとフラックスの効果 が消失し失敗します。加熱しすぎたら最初からやり直し、と心得ておきましょう。


5.はんだ付後の処理
濡れたウエスなどでよく拭いて、外部に付着しているフラックスを除去すると同時に接合部を冷却して安定化させます。
はんだが凝固しないうちに急激な冷却をすると、接合部に割れが入ることがあるので、冷却は注意して行って下さい。


6.水圧テスト

写真画像出典=日本溶接協会
施工が終了した時点でなるべく早く水圧テストを行います。
水圧テストを行うことによって、管内にフラックスやその他の汚れがあった場合も除去することができるので、後の養生のためにも効果 的です。

●水圧テストの水圧は事業体によって異なる事があるので、その指導に従って行ってください。



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