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まず、加熱から始めます。
ろうを差す前に、銅管と継手を十分に加熱しておきます。
加熱の範囲は、銅管の直径の半分くらいから、継手の止めまでを目安にします。
写真では、マジックでその範囲を示してあります。
炎を動かして、銅管の表面が黒くなったり、ピンク色になったりしてきますと、適正なろう付け温度に近くなっています。
また、銅管が薄い赤みを帯びた状態になります。 |
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銅管が赤みを帯びて適正温度になったら、ろうを差します。
差しろうは、2段階にわけて行います。 |
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■差しろう第一段階
まず、第一段階は浸透作業です。この作業は、すきまにろうを十分吸い込ませるために、継手を重点的に加熱します。
また、差しろうは、真下から上に向かって行います。
炎でろうを溶かしてはいけません。ろうは、母材の熱で溶かすようにします。 |
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■差しろう第二段階
続いて第二段階のフィレット形成作業に移ります。
フィレット形成作業は、真上から下側に向かって行います。
フィレット形成作業のポイントは、温度を上げ過ぎない様に、炎を遠ざけて、ろうのなじみ具合と流れ具合に注意して行います。
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■悪いろう付け作業の例 〜 加熱を全くしないでろう付けする場合
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●多くの巣が発生する |
●ろうがすきまに入らない |
加熱を全くしないでろう付けするのは、最も悪い例として上げられます。
加熱をしないでろう付けすると、なじみが非常に悪く、隙間にろうが入らないので、最も悪い状態になります。
また、炎の白芯の先端でろうを溶かすと多くの巣が発生します。
写真の様にろう層には多くの巣が発生しています。
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■悪いろう付け作業の例 〜 加熱のし過ぎによる場合
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●ろうたれが著しくなる |
●フィレットの未形成 |
●母材が溶ける |
加熱し過ぎると、著しくろうたれや、母材が溶けたり、フィレットがうまく形成されません。
この写真の様に、銅管を加熱し過ぎると、ろうが踊るように動き、著しいろうたれが起こっています。
また、加熱のし過ぎでも、銅管を溶かしてしまうことがあります。
フィレット形成作業で、加熱し過ぎると、写真の様にフィレットはほとんど形成されません。
写真画像出典=日本溶接協会 |