銅管と環境ホルモン
平成12年8月、プラスチック製の水道管から環境ホルモンが検出されたという新聞記事が多くの人々を震撼させました。また厚生労働省国立公衆衛生院「内分泌かく乱化学物質の水道水からの暴露等に関する調査研究」では、多くの樹脂管から環境ホルモンの疑いのある物質が溶出されることをレポートしています。
■調査目的
本調査は、人に対する内分泌かく乱作用の疑いのある化学物質のうち水道水に含まれる可能性のあるもの等について、その水道用資機材からの溶出量 を明らかにし、水道水を通じた暴露量を評価するための情報を整備することを目的とした。
■調査内容
水道用資機材からの内分泌かく乱化学物質等の溶出量を把握するため、代表的な水道用資機材として、現在生産されているもの20種36品目(管10種19品目、塗料5種8品目、その他5種9品目)及び現在生産されていないが過去に使用実績のあるもの2種3品目(いずれも塗料)、合計22種39品目を対象に、水による溶出試験を行った。
■資機材の溶出試験結果(管種のみを抜粋)
物質名
(溶出下限値)
資機材名
最大溶出濃度
(μg/L)
最大単位溶出量
(μg/m
2
)
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
(0.4μg/L)
硬質塩化ビニルライニング鋼管
2.1
26
フタル酸ジ-n-ブチル
(0.4μg/L)
エポキシ樹脂粉体塗装管
(2品目)
5.9
120
ポリブテン管
(2品目)
架橋ポリエチレン管
(2品目)
硬質塩化ビニルライニング鋼管
(2品目)
硬質塩化ビニル管(2品目)
給水用ポリエチレン管
ポリエチレン・
ポリエステル繊維
ライニング管
フタル酸ジシクロヘキシル
(0.05μg/L)
ポリエチレン粉体
ライニング鋼管
0.14
0.7
ノニルフェノール
(0.08μg/L)
配水用ポリエチレン管
2.3
240
架橋ポリエチレン管
ポリエチレン粉体
ライニング鋼管
合成ゴム(SBR)製品
ビスフェノールA
(0.01μg/L)
ポリエチレン粉体
ライニング鋼管
0.54
5.6
管更正用ライニング材
管更正工事用液状二液性
エポキシ樹脂
2-tert-ブチルフェノール
(0.01μg/L)
ポリブテン管
0.18
0.90
給水用ポリエチレン管
3-tert-ブチルフェノール
(0.01μg/L)
給水用ポリエチレン管
0.14
0.70
4-tert-ブチルフェノール
(0.01μg/L)
配水用ポリエチレン管
0.16
30
ポリエチレン粉体
ライニング鋼管
給水用ポリエチレン管
合成ゴム(SBR)製品
フェノール
(0.01μg/L)
ポリブテン管
0.68
20
配水用ポリエチレン管
架橋ポリエチレン管
硬質塩化ビニルライニング鋼管
給水用ポリエチレン管
合成ゴム(SBR)製品
管更正用ライニング材
管更正工事用液状二液性
エポキシ樹脂
スチレンモノマー
(0.08μg/L)
ポリエチレン・ポリエステル繊維
ライニング管
14
7000
合成ゴム(SBR)製品
(2品目)
出典
平成11年8月2日
厚生省国立公衆衛生院
「内分泌かく乱化学物質の水道水からの暴露等に関する調査研究」取りまとめ
(水道用資機材からの溶出調査について 抜粋)
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